こんにちは、ひなづきです。
イラスト制作していて、「描くのが遅いな」「毎日描くことができない」「かんたんな練習方法があれば・・」と思ったことありませんか?
そんな方のために、私が1年以上やってきた「かんたん10分ドローイング」のやり方をご紹介します。
この記事は以下のような人におすすめです。
- 「キャラクターに躍動感がほしい」
- 「気軽に画力を上げたい」
- 「もっとはやく描きたい」
実際に効果が高かった3つのやり方に絞り、詳しく解説していきます。それでは行きましょう!
ドローイングとは?
ドローイングとは、線で表現するという意味です。
対象を見ても見なくても成立し、時間制限も自由です。
詳しくはこちらで解説していますのでどうぞ。
今回紹介するドローイングは、絵を描く前のウォーミングアップと、画力向上を目的とし、
全体の時間を10分、対象をみて描くドローイングとします。
ですが、時間も対象も自由にアレンジしてもらって構いません。
自分に合うやり方が一番ですからね!
ドローイングをやる理由
絵を描く習慣が身につく
絵を初めた頃の私は、何をどう描いていいのかわからず、毎日描くことができませんでした。
特に、独学でやっていると、この悩みにつまずく方は多いと思います。
私はこれらを、10分ドローイングにて克服しようと考えました。
なぜかというと、
- 自由度が高く、気軽に行える
- ドローイングサイトが豊富にあり、描くものに困らない
- 絵の基礎であるラフ、アタリの練習になる
これらの理由で練習&ウォーミングアップとしてドローイングを選びました。
10分という気軽さに、描く対象に困らず、絵を描く基本のラフとアタリを学べるドローイングが、最も今の自分に必要だと思い、絵を描く前のウォーミングアップとして毎日やることにしました。
ウォーミングアップとして最適
絵を描く前のウォーミングアップとして、ドローイングが最適だと考えます。
なぜなら、デッサンや模写、クロッキーはそれなりにエネルギーを使い、初心者にはウォーミングアップとして向いていないと感じました。
これらも画力向上として素晴らしい練習方法ですが、ウォーミングアップとしては重すぎます。
まずはドローイングで軽くウォーミングアップをしてから、作品を描いてみてはいかがでしょうか。
私の場合、毎日ドローイング(10分)→模写(20分)→作品作り(やれるだけやる)というルーティンでした
ドローイングの効果
ドローイングをやってみて一番効果を感じたのは、「全体を把握しやすくなり、描くスピードが格段に上がった」ことです。
ドローイングをやる前は、迷い線や弱々しい線ばかりでしたが、やっていくうちにイキイキとした線を引けるようになりました。
ラフやアタリの速度は段違いに早くなりました
前提知識
ドローイングをはじめる前に、前提知識を解説します。
この知識を入れておかないと、効果が出づらかったり、挫折に繋がったりしますので、飛ばさず読んて頂きたいです。
なぜドローイングをやるのか?
あなたにとって、ドローイングをやる目的はなんですか?
「なんとなくやってみたい」「とりあえず触ってみたい」と曖昧に考えている方、確かに初めるキッカケとしては良いかもしれません。
しかし、このままでは曖昧すぎて途中でモチベーションが下がり、いつまで経ってもゴール(目的)にたどり着けずやめてしまいます。
ドローイングをやる目的、それは自分の絵を上手に魅力的にすることですよね?
ドローイングはあくまで練習、手段であって、最終目的は画力を向上させることです。
このことを認識しておかないと、方向性を見誤ってしまいます。
また、やっていくうちに、ドローイング自体を目的にしないよう注意してください。
私の場合、ドローイング3ヶ月目でコツを掴み、楽しくてドローイングばかりやるようになってしまい、作品作りを忘れてしまったことがあります
みなさんもお気をつけて・・
目的と課題設定
今回ご紹介するドローイングは「ウォーミングアップ」と「画力向上」を目的とするやり方ですが、慣れてきたらご自身で設定を変えたり、足したりして構いません。
また、課題は常に設定してください。
例えば、「バランスを身につける」だったり、「もっとはやく描けるようにする」だったり、今自分に足りてないこと(問題)から設定するのがおすすめです。
最初は上手くいきません
ドローイングでも模写でも、初めてやることは大抵失敗します。上手くいきません。
いいんです、それが普通ですから。最初から上手くいく方は極々少数。
「早く上手くなりたい」
その気持ちは大事です。ですが、それは難しい願いです。
なぜでしょうか?
それは、画力はすぐに向上しないからです。
1日はもちろん、1週間練習しても成果として表れづらく、1ヶ月単位で見なくてはなりません。
それに失望したり、気がつかない人たちは「自分には向いていない・・」と思い、やめていきます。
逆に言えば、「絵はすぐに上手くならない」ことを踏まえて実行すればいいのです。
絵の上達は「短距離走」ではなく「長距離走」と考えるのです。
なので、毎日描くことと、長い目で見ることが重要なのです。
ある程度積み重ねると、急激に上手くなります!
私の場合は3ヶ月目でした
消しゴムの使用は控える
やり方にもよりますが、基本的に消しゴムは使いません。
あえて修正する箇所を残しておき、苦手な箇所を確認するためです。
消しゴムで消したら、わからなくなってしまいますからね。
どうしても使いたい場合は、少しだけにして、下手でもいいから完成を優先してください。
終了後は自己添削
練習というのは、ただやるだけではなく、「問題を洗い出し、対策を考え、課題を設定する」ことが重要です。
なので、終了後は必ず自己添削を行ってください。
「添削なんてやったことないよ・・」と思うかもしれません。
大丈夫です、かんたんなもので結構です。
添削と言っても、ここでも消しゴムは使いません。上から修正線を引くだけです。
例えば、鉛筆で描いたドローイングを、青や赤のボールペンで引く添削方法があります。
ポイントは、ドローイングした線の色ではなく、違う色を選択して添削することです。
これをやることで、どこが間違っているか気づく力、目が鍛えられます。
私の場合、面倒くさがりなので黒鉛筆の上から黒鉛筆で添削していました
1本で済むので楽ですが、おすすめしません!
時間が来たらそこで終了
意外とやりがちなのは、時間が来てもダラダラ描き続けてしまうことです。
制限時間をすぎたら、必ず終了してください。
描くことよりも、失敗した箇所をどう修正するかが重要です。
ですので、時間をすぎてダラダラ描くことより、「今回できなかったところは?」「次はどうすれば上手く描けるか?」と問題と課題、対策を考えることに時間を使いましょう。
今回の「10分ドローイング」は添削時間を含めてません。
なので、全て10分で完結させたい方は「ドローイング5分、添削5分」という感じで調整してください。
前提知識は以上になります。
全て頭に入れて実行しなくても、とりあえずやってみることも大事です。
もし、「上手くいかない」「こんな感じでいいのか?」と感じたら、また読み返してみてくださいね!
事前準備
では次に描く準備をしていきます。
当たり前ですが、描くモノ(出力)と描き写すモノ(入力)が無ければ始まりません。
これを準備しましょう。
今あるモノでOK!
そのモノですが、今持っているモノで全く構いません。
例えば、コピー用紙✕シャーペン、液タブ✕専用ペン、ノート✕ボールペンと、やり方は自由に組み合わせてもらって大丈夫です。
ただし、出力と入力どちらかが欠けても行えないので、ない場合は以下をおすすめします。
アナログがおすすめ
私のイラストデビューはアナログではなく、いきなりデジタルから初めました。
なので、ドローイングをやる前はデジタルでしか描いたことがなく、殆どアナログで描いたことがありませんでした。
そこで、ドローイングはアナログと思い、クロッキー帳✕鉛筆でやることにしました。
タイマー
全てアナログで済ませる場合や、時間制限がないサイトを使う場合は、タイマーを用意する必要があります。
スマホアプリでもタイマーサイトでもいいですが、できれば繰り返し機能があるモノがおすすめです。
私は以下のタイマーサイトを愛用しています
シンプルで使いやすいです
10分ドローイング3選
お待たせしました、いよいよ実践に入ります。
おすすめ順で紹介していきますが、どれをやってもらっても構いません。
10分では長いと思ったら、5分にしても大丈夫です。
1、10分間ドローイング
まず紹介するのが、アニメーターのhideさんが提唱する「10分ウォーミングアップドローイング」です。
hideさんはYouTubeでも活動していて、そのドローイングの動画をアップしてくれています。
動画内でhideさんがやっていることは、イラストや実写の画像を見ながら、対象を素体として描いています。
この対象を素体化することは、慣れないと難しいです。そうではなく、
今回は、そのhideさんが描いたドローイングをドローイングするという方法です。
10分間hideさんの描き方を真似て描く。やり方はこれだけです。
様々なドローイングの動画を見てきましたが、hideさんの動画が最もやさしく、やりやすかったです。
私がやってきたドローイングの中で、これが最も効果があったドローイングでした。
一時停止や再生速度を調整するのもアリ
動画を見ていただくとわかると思いますが、hideさんの描くスピードはかなり速いです!
多分、これでもご本人は速度を落として描いていると思いますが、初心者にとってはとてつもないスピード。
これを解決する方法として、
この方法のメリットは、自分のペースを守りつつ描けることです。
描き方をしっかり見てから描くことができるので、絵を描いてこなかった方には特におすすめします。
デメリットは、いちいち一時停止を押さないといけないことくらいでしょうか。
もう一つの方法は、
YouTubeは再生速度を調整する機能があります。これを使って通常再生から速度を下げる方法です。
デフォルトでは0.75、0.5、0.25しかありませんが、設定→再生速度→カスタムを押すと、0.05単位で調整可能です。
この方法のメリットは、一時停止を押さずに済むことと、流れを止めずにスムーズに描けることです。
デメリットは、描いている最中は見れないので、慣れていないと難しいことでしょうか。
どちらの方法にも言えることですが、これをやると確実に10分を超えます。
10分超えてもいいと言う方はおすすめしますが、10分以内にしたい!というのであれば、10分以内で描ける範囲、例えば5体描いたら終わりという形でも大丈夫です。
応用 素体ドローイング
hideさんが動画内で行っていた素体化のやり方を、Pinterest(ピンタレスト)を見ながらやる方法です。
※Pinterestとは、画像を主としたSNSです。SNSといっても、ユーザー同士の交流が盛んなわけではなく、あくまで画像共有がメインです。
Google画像検索にコメントや共有、ピン刺し(保存)などができるSNSという感じでしょうか。
Pinterestの特徴として、共有される画像がとてもレベルが高く、Google画像検索より参考になる場合があります。ですので、最近ではPinterestで画像を検索することが多いです。
登録はかんたんで、Googleのアカウントを持っていればすぐにログインできます。
使い方も直感で操作できますので、とてもおすすめなサイトです。
やり方は、このPinterest上にある画像を使って、10分間ひたすら素体ドローイングをやるだけです。
対象画像の決め方ですが、
- ランダムでやりたい → ホーム画面に流れてきた画像
- 自分の好みでやりたい → ピン刺ししておいた画像
- テーマを決めてやりたい → 検索した画像
主にこの3つのやり方で画像を選択します。
ホーム画面はランダムドローイング、ピンは嗜好ドローイング、検索は課題ドローイングとして使用してみてはいかがでしょうか。
※このホーム画面に流れてくる画像というのは、ピンや過去に検索した画像を元に、AIがその傾向にある似た属性の画像を表示させていますので、完全ランダムとは言い切れませんので注意してください。
自分で抽象化し素体に変換させますので、難易度は上がります
ですが、それだけの価値は十分あります!
2、PoseTrainer90秒ドローイング
2つ目は、PoseTrainerを使って90秒ドローイングをやる方法です。
設定を90秒にして、6体描くだけです。とてもシンプル!
ポーズは基本ランダムで、時間がきたら自動で次のポーズに切り替わり、終了後は履歴を見直すことができます。
さらに、ポーズの難易度、性別、肉質、グリッドの設定もできます。
操作も画面もシンプルでわかりやすく、設定も最低限あり、とてもおすすめなドローイングサイトです。
ただ、6体など回数指定はできませんので、6体目が終了しましたら一時停止して添削をしてください。
最初はグリッド表示もアリ
最初のうちは、慣れるために補助のグリッドを表示してやってみるのもおすすめです。
グリッドがあると、パーツの対比やバランスが見分けやすくなります。
やってみて、グリッドが邪魔と思ったらすぐ外しちゃいましょう。
私は基本使いませんでした
履歴から添削
ドローイングサイトでの必須機能、その一つに履歴の有無があげられます。
なぜ必須かというと、ドローイング終了後に見直し、添削することがとても重要だからです。
PoseTrainerにも履歴機能がありますが、1度やった履歴しか残らず、リロードしたりブラウザを閉じると履歴は消えます。
なので、ドローイング終了後の添削は、先延ばしせず、終了後すぐにやってください。
3、身の回りドローイング
身の回りドローイングとは、その名の通り、身の回りにある対象をドローイングすることです。
時間制限にしてもよし、対象の数を設定してもよし。
デジタルを使わず、全てアナログで完結させたい方におすすめな方法です。
描く対象は自由
気軽に行えるよう、対象は今あるモノから始めましょう。
例えば、お気に入りの画集、人形、フィギュアなど。
なんなら、今見えるモノを次々とドローイングする、というのもいいですね。
時計、ペン、手、スピーカー、ヘッドホン・・ありとあらゆるモノが対象となります。
おすすめはフィギュア
一例として、私がやっていたフィギュアドローイングを解説します。
まずフィギュアを用意します。私は可動型デッサンフィギュアを使用しましたが、今あるフィギュアがあれば、それで大丈夫です。
可動式の場合、ポーズを決めます。この時、人間で再現可能なポーズにしてください。再現不可能なポーズは、誤った知識になり、後々面倒なことになります。
まずは、フィギュアを安定させて、直立ポーズから始めてみましょう。
そして、可動式と固定式両方に言えることは、アングルの重要性です。
アングル、つまり視点や角度という意味です。フカン、アオリ、正面、背面、斜め、距離・・様々なアングルがありますよね。
この様々なアングルを変えながら、1アングル90秒✕5~6回ドローイングし、終わったら自己添削します。
かんたんにやり方をまとめます。
時間や回数を決める(今回は90秒✕5回)→ ポーズとアングルを決める → ドローイング → 自己添削
また、照明を変えることによって、光と影の見え方が変わりますので、かなりの数のバリエーションをドローイングすることができます。
コツはネガティブスペースとシルエット
3次元から2次元に変換させるコツとして、ネガティブスペースとシルエットを意識して描くことです。
- ネガティブスペースとは、対象にある間の余白や空白のこと
- シルエットとは、モノの輪郭、アウトラインのこと
例えば、右足と左足が開いている場合、その間の空間を形取るように見ると、とても描きやすくなります。
また、全体のバランスを取る時は、まずはディティールを無視してシルエットのみを描くよう意識してみてください。
- ディティールとは細部、表面の質感のこと
流れとしては、このようにやるとスムーズに仕上がります。
難易度について
先に紹介した2選(hideさんのとPoseTrainer)は画面という2次元でしたが、実物の場合は3次元となりますので、難易度は高くなります。
なぜかというと、3次元は2次元に比べて情報量が増え、さらに3次元から2次元へ変換処理を行わなくてはなりません。
一例として、輪郭線を描く時は、対象の輪郭と影が重なり、把握しづらくなります。
しかし、何度も繰り返していくにつれて、脳が次第に対応していきますので、徐々にできるようになります。
まずは2次元ドローイングから始めて、慣れてきたら3次元ドローイングにも挑戦してみてはいかがでしょうか。
空間認識能力の向上ではこちらの方が期待できますので、やる価値はとても高いと思いますよ!
まとめ
今回は、私がやってきた10分ドローイング3選を解説しました。
コツとしてはやはり、
- 自分がドローイングをやる理由を明確にすること
- 毎回自己添削すること
- 5分でも10分でも、とにかく毎日描くこと
目的意識を持ち、その場で復習し、習慣化する。
特にこの3つが大事だと感じました
まあとにかく、楽しみながらやりましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!